TORINOS

YGに関するあれこれやレゴにプラモ、バトルホビーなど雑多な感じのブログにしていきたい。

【VARIANT】VARIANT -RAVEN- Season1完走後の感想

2021年7月16日に特別読切版を公開し、7月21日にEp.01「孤独/邂逅」を投稿してから約1ヶ月、8月19日に投稿したEp.10「人間/異形」をもって【VARIANT -RAVEN- Season1】は一先ず完結となりました。

今まで10年以上にわたって執筆してきたYGシリーズとは異なる新たな小説シリーズについて、後日談というか後書きのような感じで今日に至るまでの経緯を書き記しておこうかなと思います。

 

目次はこんな感じ。

①この物語を書くに至ったきっかけ

②書きたかったこと

③注目してほしいポイント

④Season1での疑問、伏線

⑤Season1を書き終えて

⑥Season2はどうなる?

 

長くなりそうなのでさくさくと進めていきます。

 

①この物語を書くに至ったきっかけ

 

先述の通り、過去10年以上にわたって僕と僕の仲間達は「YGシリーズ」と呼ばれる小説作品を作り上げてきました。

現在も執筆中で、僕は「YG -THE WORLD ENDS CHRONICLE-」と「創世無幻殲機YG -Re:Definition」という2作品を抱えている中で、今回の「VARIANT -RAVEN-」というYGではない新しい物語をスタートさせました。

というのも予てより、YGという巨大ロボットに乗って戦う物語ではなく、等身大の人間達の戦い、その生き様や苦悩を書きたかった、という思いがあったことと、僕は「平成仮面ライダーシリーズ」のファンであり、怪人達を主人公に据えた物語を構想していたこともあり、今回の「VARIANTシリーズ」を始動させるに至りました。

 

実はVARIANTに関しては昨日今日急に思い付いたものではなく、何年も前からずっと書きたかった様々な構想を練りに練って、ようやく形になったものです。

それこそYGシリーズを書きながらずっと、ロボットものではなく等身大の人間達が織り成す物語を書きたいと思ってはいたものの、幾つか実際に書いてみてボツになった作品達がありました。

でも、それらを忘れ去るのではなくどうにかして形にしたいな、と思っていたところに「怪人」という1つのテーマを基盤に、アイデアが生まれてきました。

先に述べた通り、僕は「平成仮面ライダーシリーズ」のファンでYGシリーズの中でも時折オマージュだったりパロディネタを盛り込んでいるのですが、そんな仮面ライダーを見ている時にふと「怪人達も元は人間だったり、番組中では敵として(ヒーローを立てる為に)雑に処理されていくけれど、彼らにも人生があり、怪人になってしまった苦悩や悔しさ、苦しみ、悲しみがあるんだよなあ」と考えました。

(勿論仮面ライダーシリーズでも、怪人達にスポットを当てたものもありますし、それらをメインに据えた物語があることも承知していますが、あくまで仮面ライダーの主人公はヒーローであり、怪人はその立役者的なものだと今回は捉えていただければと思います。)

そうした中で、怪人(=人ならざる者)になってしまった人間達の物語が書きたい、と思ったことでVARIANTの構想がスタートしました。

 

怪人…ではなく人間が突然変異によって姿形は人と変わらないけれど、人を超越した力を持つ異形の化け物になってしまう、そんな彼らが現代社会においてどのような扱いを受けるのか、そんな力を得た彼らがどうやって社会に折り合いを付けて生きていくのか、彼らが存在することによって社会情勢はどうなっているのか…等々煮詰めていくうちに、「VARIANT -RAVEN-」のテーマが決まっていきました。

(これについては次章で詳しく書きます)

 

ここで少し脱線しますが、怪人をメインに据えるということは、その裏には人間達を守るヒーローが存在します。

「VARIANT -RAVEN- Season1」ではAEGISという人間側の組織が登場しますが、現時点での彼らはまだ、異形に対抗しうる力を持っていません。

後々、彼らは「IXA」と呼ばれる強化スーツのようなものを身に付けることで、異形と渡り合える力を手にするというシナリオなのですが、(ここでいうIXAとはヒーローの象徴、言うなればVARIANT版仮面ライダーのような存在です)実はこのIXAという設定も、何年も前から温め続けていた「ロボットものではなく等身大の人間達が織り成す物語」の1つとして僕が構想していたものです。

この「IXA」の扱いが少々厄介で、こうして後書きのような場でしかきちんと説明する機会もないと思うので書き記しておきますが、実は同名の強化スーツのようなものという設定が、有名な漫画「東京喰種」にも登場します。

その東京喰種という作品も、喰種と呼ばれる「人と同じ姿をした怪物」が人間達の作る社会の中で生きており、人々との対立や自分達の生き方を描いている漫画なのですが、人を食べる喰種を相手に人類が手に入れたIXAという強化スーツが、作中にも登場します。

これは完全に偶然のネタ被りで、パロディでもオマージュでもございません。

というか僕が「IXA」を執筆した方が先です(笑)

(当時IXAを執筆したBBSがサービス終了してしまったので正確なデータは分からないのですが、「創世無幻殲機YG」の執筆を終了して割とすぐに書いていたので恐らく2011年頃、東京喰種も連載開始は2011年ですが作中にIXAが登場したのはもっと後でした)

何が言いたいかというとIXAという強化スーツの存在は、ずっと前から温めていたネタで東京喰種のパクリではないですよ、ということです(笑)

 

ちなみに「VARIANT -RAVEN-」の主人公、時園未来乃という人物に関しても、(こちらはIXAほど前からではないですが)何年か温めていた設定で、名前や性格、未来視という能力はずっと前から決まっていました。

問題は彼女を登場させる物語がなかった(アイデアが纏まらなかった)ので世に放っていなかったのですが、こうして無事主人公として活躍させることが出来て一安心しています。

まだ「VARIANT -RAVEN-」の物語が微塵も決まっていなかった頃、当初の構想では未来乃は「特殊能力(未来視)を持った人間で、ヒーロー側のポジションで活躍する主人公」という設定でした。

未来視を使って後に発生する事件を未然に防ぐ、タイムスリップもののヒーロー作品を考えていました。

 

話を戻しますが、怪人をメインに据えた物語が書きたい、という話を仲間達としている内に物語の大部分が決定し、「VARIANT -RAVEN-」の執筆に至りました。

ここに至るまでの道程は本当に長く、紆余曲折がありました。

YGシリーズの一発目である「創世無幻殲機YG」は1年かけて設定を練りましたが、実は「VARIANT -RAVEN-」は執筆に至るまで本当に長い年月と幾つもの没ネタを経て、2021年7月21日にようやく執筆まで漕ぎ着けることができたのでした。

 

②書きたかったこと

 

ちょっと①の章であまりに長く書きすぎたので、ここからは簡潔にいきます。

書きたかったこと、ずばり「VARIANT -RAVEN-」におけるテーマですが、ざっくりと2つ。

「生きる」ことと「対比」です。

異形と呼ばれる人ならざる者たちの生き様、そして人と異形、過去と未来、正義と正義…という対比をメインテーマに据えて物語を構想していきました。

ここでいう正義と正義とは、人間視点での正義と異形視点での正義…言い換えればそれは、互いのエゴとエゴではないかな、と思っています。

人間達から迫害され、差別される異形達と、異形は異形で人間に味方する者もいれば危害を加える者もいる。

差別問題とは非常にデリケートな話題で、作中だけでなく実際に僕らが生活を送る現実世界でも解決していない問題ですよね。

「VARIANT -RAVEN-」でもパニッシャーという人間に味方する異形が登場しますし、AEGISの犬飼くんみたいに異形と戦うことに戸惑いながらも人間達を守るために自ら戦う選択をした人間も登場します。

その反面、人間を襲う異形もいれば未来乃達に冷たい視線を送る人間達もいる…立場が違えば見方も変わるように、人間と異形という異なる立場に、それぞれ属している人達も多種多様な捉え方で彼らの生きる世界を見ています。

そんなあらゆる角度から見た世界を、「VARIANT -RAVEN-」では書いていきたいと思っています。

Season1では序章として、今後それらのテーマに深く関わるためにパニッシャーという異形を裁く異形の組織にスポットを当てて物語を書き進めました。

 

③注目してほしいポイント

 

仰々しいテーマを掲げましたが、「VARIANT -RAVEN-」は時園未来乃を中心とした物語なので、注目してほしいポイントはやはり彼女です。

異形として生まれ、人との関わりを避けて孤独な生活を送っていた少女。

そんな彼女がリンドウや小国、秀吉、天希、鎌尾といったパニッシャーのメンバー達や捕獲対象となった様々な異形達、共に戦うことになったAEGISという人間達や街の人々と関わることでどのように変化していくのか?という点に注目していただければと思います。

 

④Season1での疑問、伏線

 

既に話した通り、「VARIANT -RAVEN-」は時園未来乃を主人公とした物語であり、彼女を中心に描いている一方で作中では触れられていない、あるいはぼかしている部分が幾つかあるので、そのあたりのお話も少し。

 

・未来乃とリンドウの過去

特にリンドウに関しては、あえて触れていない部分が多いです。

Ep.01から登場しており、未来乃達が所属するパニッシャーのリンドウ班のリーダーでありながら、多くの部分が謎に包まれています。

彼に関しては物語のもう1人の主人公として、今後Season2以降で徐々に明かされていく予定なので、今は謎の多い人物としてそっとしておいてください(笑)

ただし物語上非常に重要なキーパーソンなので、注目していただければと。

同じく未来乃についても、まだまだ不明点は多いです。

未来乃の両親や学校生活など、異形として…あるいはパニッシャーの一員としての側面以外の部分については、今後触れていく予定です。

 

・人間と異形の関わり方

あるいは異形が人間達からどんな目で見られているのか。

「VARIANT -RAVEN-」の最も重要なテーマでありながら、Season1ではあまり触れられていません。

というのもSeason1はパニッシャーを中心に描かれているので、人間達と接する機会がそれほど多くありませんでした。

一応Ep.10でも触れられてはいますが、こちらもSeason2以降で描いていく重要なテーマですので、乞うご期待。

 

・最後にでてきた不羈の民の幹部達やリーダーについて

彼等もSeason2への布石というか、リップサービスというか(笑)

Season1での最後のエピソードも不羈の民を巡る物語でしたが、彼らの存在が今後「VARIANT -RAVEN-」において重要な役割を果たします。

1番メインの敵キャラとなる彼らの先行登場といった感じですので、Season2以降での活躍にご期待ください。

 

⑤Season1を書き終えて

 

まずはとにかく、勢いを落とすことなく無事に完結できて何よりでした。

しかし、「YGシリーズ」以上に登場人物達の内面描写に力を入れて執筆したので、当初の想定以上に話数が足りなくて苦難しましたね。

本当はもっと混ぜ込みたいエピソードがありましたが、泣く泣く断念している部分もあるので今後キャラクターや物語に深みを持たせる意味でも、どこかで回収したいと思っています。

もっと日常的なシーンを色々差し込みたいですね。

本編が終始シリアスな展開なので(笑)

 

⑥Season2はどうなる?

 

Season1で一先ずパニッシャーの、そして時園未来乃についての物語は上手くスタートさせることが出来たかなと思っています。

Season2からはパニッシャーだけでなく、AEGISや不羈の民、S.W.O.R.D.という4つの組織が入り乱れた、共存と対立をテーマとした物語を展開していく予定です。

また、Season1では未来乃を中心とした物語だったので、周辺の人物や社会情勢についての掘り下げがあまり出来なかった分Season2以降ではそのあたりも力を入れていきたいと思っています。

しかしあくまで主人公は時園未来乃。

環境が変化していく中で、未来乃がどう生きていくのかをメインに据えるという点は変わらず書いていきたいです。

 

さて、思った以上に長くなってしまいましたが後書きはこんな感じですかね。

本編に込められた意味や伏線の解説、登場人物達についてももっと詳しくお話したかったんですが、また機会があればどこかで書きます、多分。

Season1が無事完結し、予定では一度YGの執筆に戻ってからSeason2以降の詳細部分を練っていこうと思っています。

物語の大部分は大方決まっているので、そう遠くないうちにスタートできると思います。

是非お楽しみに。