TORINOS

YGに関するあれこれやレゴにプラモ、バトルホビーなど雑多な感じのブログにしていきたい。

10年くらい温めてたネタの話

2021年7月21日より執筆を開始した「VARIANT -RAVEN-」についてのお話を前回しましたが、それに伴って(前回少しだけ触れた)過去に考えていた小説のネタを、蔵出ししようかと思います。

「VARIANT -RAVEN-」にも関わってくるお話なので、読んでいただけると幸いです。

 

これは僕がYGシリーズの第1作、「創世無幻殲機YG」を書き終えた2011年頃の話だと思うんですが、なにせ当時活用していたBBSがサービス終了に伴い消失してしまったので、正確にいつ頃の話かは明記できません。ごめんなさい。

これから話すことはすべて僕の記憶に基づくものでして、一部記憶違いや間違いがあるかもしれませんが覚えている範囲で書いていこうと思います。

 

ちょうどYGを書き終え、その頃には間髪入れずすぐに次回作が始動していたのですが、前回話した通り僕はずっと、「等身大の人間達が織り成す物語」が書きたかったんですね。

それも普通の人間ではなく、やはり僕はヒーロー物や人外物が好きなので「人間vs怪物」の物語を構想しており、早い話が「IXA」という小説を考えておりました。

前置きが長くなる悪い癖があるのでさくっと本題に入ります。

今回は「IXA」に関するお話です。

 

「IXA」の原案は先に述べたとおり、「創世無幻殲機YG」が終了してすぐの頃にはもう決まっておりました。

当初の案は「人間に寄生する怪物に支配された世界で、人類が開発した特殊強化服IXAを着用したヒーロー達が、寄生虫との戦いを繰り広げる」というものでした。

元ネタがあるわけではないのですが、ジャンルとしては僕の大好きな仮面ライダーシリーズやGANTZなどが挙げられますね。何せ人間がヒーローに変身して、怪物と戦う物語です。

このIXAに関しては、登場人物や物語の構成なども大方決まってはいて、いつか絶対書きたいなと思いつつずっとYGやレゾストなど他企画で手が空いていなかったので執筆する機会が得られず、読み切り版だけBBSに投稿してその後音沙汰無し、というまま10年近くが経過してしまいました。

何故そんな昔のアイデアを今頃発掘しだしたかと言うと、そこに今執筆中の最新シリーズ、「VARIANT -RAVEN-」が誕生したことでIXAの設定が掘り返されることになったからです。

 

具体的にIXAとはなんぞや?という点では、一言で表すならば「パワードスーツ」のようなものです。

人間が兵器を装着するというコンセプトで設定を練りましたが、実を言うと細かな設定は決めていません。

いつもの癖ですが、設定を細かく詰めすぎると自由度が下がってしまうので「着用することで超人的なパワーを得られる特殊強化服」という位置付け以上の設定は特に考えていませんでした。

そして、BBSに掲載していた読み切り版のIXAスーツはプロトタイプで、物語の進行に合わせて「Generation2(IXA:G2)」や「Generation3(IXA:G3)」というようにスーツ自体をアップデートさせていく予定でした。

このあたりの設定は「VARIANT -RAVEN-」にも継承していこうと思っているので、当初の原案設定も一応書き記しておこうと思います。

 

IXA:G1(試作型)

人類が寄生虫(「VARIANT -RAVEN-」では異形)の驚異に対抗すべく開発した特殊強化服の試作型。

身体能力や耐久性などが向上し、素手で未知なる脅威に立ち向かえる力を与えるスーツ。

 

IXA:G2(正式採用型)

プロトタイプだったG1を改良し、正式に運用されるようになったのがG2スーツ。

能力の向上だけでなく、G1では文字通りスーツを「着る」必要があったのに対し、G2は生体認証とナノマシンによる自動装着型となった。

そのため、如何なる場面でもIXAを装着し、すぐに戦闘を行えるようになった。

 

変身ヒーロー物のように自在に装着が可能になったIXA。

見た目のイメージは、まんまGANTZスーツです。

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IXA:G3

G2の上から着用するロングコートタイプの外付け強化服。

防御力に特化したスーツで、足元まで覆うロングコートスタイルのため全身の耐久性を向上させる。

反面、G2よりも機動力が下がるため、防御力を取るか機動力を取るかというトレードオフ性能。

 

こちらのイメージは東京喰種のCCG勢が着用している白衣や、テラフォーマーズのような白いロングコートですね。

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IXA:G4(欠番)

G2の攻撃力と機動力、G3の防御力をフィードバックし、より強力なスーツを目指して開発されたが、あまりに出力が高く装着者の命に関わるため、凍結されたスーツ。

現在は運用されていない、欠番品。

(このあたりは仮面ライダーG4のオマージュですね、型番が同じなのと「4」=「死」のイメージで。)

最大の特徴はこれまでのスーツを凌駕する性能に加え、自動修復機能を有していること。

しかしこの機能のせいで人体にかかる負荷が規定値を上回り、中の人が死亡する恐れがある。

 

外見的なイメージ画像はないのですが、G2スーツを純粋にアップデートしたようなもので、頭部までマスクのようなもので覆われているような…そんなイメージです。

 

IXA:Ω(G5)

G4の失敗から純粋にスーツを強化するのではなく、G3のように既存のスーツに外付けで強化を施すというコンセプトの元製造された、拠点防衛用スーツ。

G2スーツの上から着用し、機動力が激減する反面高い戦闘能力を獲得することに成功。

デメリットとして汎用性が低いため局地的な行動範囲に限られている。

(スーツ自体の大きさから移動に不向きなことと、小回りが効かないため激しく動き回る相手には不利)

 

イメージとしてはGANTZの岡スーツのようなもの。

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IXA:G6(ジェネリックスーツ)

早い話がコストダウンの廉価版モデル。

これまでのIXAシリーズの実績と技術の進歩により、G2スーツの性能はほぼ据え置きで量産に特化したもの。

 

新型というよりiPhoneで例えるとSEみたいなイメージですかね。

 

IXA:G7

新世代のニュースタンダードスーツ。

G2以上、G4以下といったG2の完全上位互換。

G4では人体に負荷がかかりすぎるため、人間が制御出来るギリギリのラインまでデチューンされた強化服。

実はG4で強化に挫折して以降、G5は外付け強化、G6は廉価版なので単純な性能の強化はこのG7スーツが初めて。

 

スーツの経緯でいうとG1→G2→G7とナンバリングはかなり間が空きますが世代としては3世代目ですね。

 

IXA:G8

G7がG2の上位互換ならば、G8はG3の最新型。

G7スーツの上から着用するジャケットタイプのスーツだが、G3との最大の違いは上下分割型という点。

上半身のみ、または下半身のみ着用するだけで純粋な防御力の上昇が見込める。

 

以上、IXAは設定だけはかなりしっかり練っているので、スーツのバリエーションも沢山あります。

改めて文字に起こすとなかなか長文になっちゃいますね。

しかしせっかくの蔵出し企画、これを逃すと今後話す場もなさそうなのでどんどん放出していきます。

次は物語についてです。

IXAはスーツの設定だけでなくストーリーもかなり構想を練っていて、正直時間さえ都合がつけばすぐにでも書き出せるというくらい、僕がずっと温めてきた物語です。

しかし全部話すと膨大な量となるので、「○○編」というふうに区切りつつ、簡単に記していきます。

 

寄生虫

便宜上今は寄生虫と書きましたが、作中では英語読みで「パラサイト」という敵と戦う物語を考えていました。

人間に寄生し増殖する未知の怪物パラサイトに支配された日本が舞台で、人類は特殊強化服IXAを用いてパラサイトの脅威に立ち向かいます。

昔BBSに掲載した読み切り版は、ここに至るまでの前日談という位置付けでIXA:G1を開発した人類がパラサイトに支配された地上を取り戻すべく戦いを挑む、という物語でした。

それから時を経て、G2スーツを引っ提げてパラサイトとの徹底抗戦に臨むのがIXA本編、という感じ。

 

改造人間編

いきなり不穏なワードが飛び出してきました。

パラサイトに対抗するのはIXAだけでなく、人類はあらゆる手を尽くして地上を取り戻そうとします。

その中で生まれたのが改造人間と呼ばれる者達で、IXAが純粋な強化服であるのに対し、改造人間は生身の人間に人体改造手術の施すことで人間そのものを強化する、という非人道的なものでした。

パラサイトとの戦いの中で作り出された新たな悲劇。もう人間には戻れない彼らの苦悩や人類との関わり方などをメインとした章です。

ニュアンスは違いますが、人と同じ姿を持ちつつ人間とは似て非なる存在、というのは今のヴァリアント達に通ずるところがありますね。

 

人造人間編

IXA、改造人間とはさらに異なる研究も進められていました。

それは戦闘に特化した人間を0から作り上げる、人造人間と呼ばれる新兵器です。

研究によって作り出された人造人間は、体内に無数の兵器を持ち、完全に戦うためだけに生まれた戦士。

それでも人間としての知能や思考を与えられ、やがて心を得た人造人間は兵器なのか?人間なのか?というのをテーマに据えた章も考えていました。

 

寄生虫の王編

ついに敵の親玉が登場し、人類vsパラサイトの戦いはクライマックスを迎えます。

寄生虫のボスである女王と、女王を守る王。

人類は女王を打ち倒しパラサイトに支配される恐怖から脱却するため、IXAや改造人間、人造人間を用いてパラサイトとの全面戦争を迎えます。

東京を舞台にした地上防衛戦と王、女王との戦い…これまで積み重ねてきたものすべてを巻き込んだ、IXAシリーズの集大成的な章です。

 

機械人形編

寄生虫の王との戦いの中で、追い込まれた人類はこれまで秘匿とされていた最終兵器を投入します。

それが機械人形、言わばアンドロイドです。

人類を守るようプログラムされた機械人形達は、迫り来るパラサイトを次々撃退しますが、人間を保護するというプログラムが悪い方向に作用し、逆に人間達は機械人形によって自由を奪われ、機械に支配された世界へと変わり果ててしまいました。

今度の敵はアンドロイド、とばかりにIXAの戦いは寄生虫から機械人形を相手とした物語にシフトしていきます。

勿論パラサイトも全滅したわけではないので、IXA、パラサイト、改造人間、人造人間、アンドロイドというあらゆる種族が対立し合うという混沌を極めていく…そんな物語ですね。

 

ここまで読んでいただければお分かりの通り、当初予定していたIXAの物語は単純な「人類vs怪物」ではなく、様々な出自を持ち異なる進化を遂げていった者達が時に助け合い、対立しながら進んでいくという構想でした。

ちなみにこの機械人形編以降の物語はまだ考えておらず、一体IXAの物語は何をもって終わりとするのか…それは作者である僕にも預かり知らぬところです。

色々書きたいことはあるけれど明確な終わりは決まっていない…故にいつまでも書き始めず没ネタになっていたのかもしれませんね。

 

さて、かなり長くなってきました。

本当はこのまま登場人物達のお話も進めようと思っていたのですが、あまりに長くなりすぎるのでそれは次回に持ち越そうかなと思います。

今回はIXAのスーツに関するお話と、物語の全体像について蔵出しをしていきました。

どうでしょう、10年温めてきたネタだけあって、思っていた以上に煮詰められていたんじゃないでしょうか。

今回は話せなかった登場人物達についても、なかなかしっかり設定は練っているので是非お楽しみに。

そして恐らく今回蔵出し企画を行っているIXAの設定は、大部分がそのまま「VARIANT -RAVEN-」にも活かされていくと思います。

「VARIANT -RAVEN-」をより深く楽しむための制作秘話のような感じで、もうしばらくIXAに関するお話にもお付き合いいただければと思います。

 

それではまた次回。