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YGに関するあれこれやレゴにプラモ、バトルホビーなど雑多な感じのブログにしていきたい。

YG -THE WORLD ENDS CHRONICLE-執筆開始から1年経った感想

2020年1月22日より執筆を開始した「YG -THE WORLD ENDS CHRONICLE-」(以下クロニクル)。

執筆開始から1年が経ったところなので、この辺で1度現時点でのクロニクルについての感想や振り返りをしてみようと思いこの記事を書き始めました。

 

クロニクルを語る上で外せないのは、やはりYGシリーズの原点である「創世無幻殲機YG」。

2009年に企画が立ち上がり、1年かけて構成やキャラクター案を練って、ついに2010年4月5日、YGシリーズが始動しました。

それからいくつもの作品が生まれ、1つ目の節目として「YG〜WARGAME〜」がスタートします。

YGシリーズの主人公が10人に達したので何か記念作品のようなものを作りたいなと思い、歴代のYGパイロット達が一堂に会する、お祭り騒ぎのような規格外の物語が誕生しました。

 

気付けば2020年、ついにYGシリーズが10周年を迎えました。

正直なところ、10年間ずっとYGシリーズに触れ続けていたわけではないし、実際ここ数年は大した動きもなく所謂オワコンに近い状態にすらなっていました。

しかしせっかくみんなで作り上げてきたYGというコンテンツを、このまま終わらせたくないなと思いせめて10th ANNIVERSARY YEARSを記念して新作を書こうと思いました。

これが最後の作品になってもいい、YGと共に過ごした10年を締め括る大きな花火を打ち上げたい。そんな思いで共にYGシリーズを作り上げてきた仲間達に声をかけ、クロニクルは始動しました。

 

コンセプトはただひとつ。これまでの10年に匹敵するような壮大で、記憶に残る大長編を作り上げること。

3人でリレー形式で書き上げた無印を除くと、YGシリーズは比較的短編が多いです。平均して1〜2クールほど、短いものだと4話完結だったり前後編の2話で終わる作品もあるくらいです。

しかしせっかく10周年記念作品と銘打ったからには、無印と並ぶ長編作に仕上げたいというのが最初のコンセプトでした。

そのために綿密にストーリーボードを書き上げ、登場人物や世界観の設定を練ることから始めました。

それからいくつかの案が生まれ、過去作のキャラクターをスペシャルゲストとして登場させること、記憶喪失の主人公が旅の中で出会う新たなキャラクターを全員で作り上げることという2つが決まります。

特に後者に関しては重要で、本編はすべて自分一人で書き上げることは決めていたんですが10周年記念なのだから、全員に参加してほしいという想いがありました。

大まかなストーリーが決まり、まずは第3話まで一気に公開してクロニクルのストーリーがどのような展開となるのか、主人公であるアルクがどんな人物なのかをみんなに見てもらい、それから各人にオリジナルキャラクターを考えてもらいました。

 

いの一番にキャラクター案を提出してくれたのはなみたす氏。

アレン・ブラックリバーという孤高の傭兵が生まれ、次にいづな氏による双子の姉妹という案が決まり、紡木カノン&マノンが参戦しました。

その間にも物語は進み、リサ、ジル、ローズといったキャラクター達との出会いと別れを繰り返し、クロニクル始動から1年経った今、紡木姉妹編の中盤が終わるところまで書き連ねるに至りました。

少し時間は遡り、アレン編の物語が間もなく終了するといった1月の終わり。クロニクル始動から1年が経過するギリギリという絶妙なタイミングで、ついにかわち氏原案のキャラクター、ハルバ・エイブラムスが誕生します。

 

この最後の1人が誕生することで、ようやく僕の目論見が1つ、達成に近付きました。

それは主人公のアルクやまだ未登場のキャラクター達を含め、クロニクルシリーズの主人公格全員を集めると丁度10人になるというものでした。

WARGAMEについて触れた際にも少し話しましたが、この10人というのも意図的に決めた部分で、歴代主人公10人とクロニクルで登場する新キャラクターが10人と数が並ぶように設定してあります。

 

さて話は戻りまして、ここからはクロニクル始動から1年経った現在の感想や振り返りを解説していこうと思います。

 

まず全体の所感としては、概ね当初の予定通りというか、初期プロット通りに進行しています。

各話毎に結構間が空いたりはしましたが、決して続きが思い浮かばなかったり進行に支障をきたしていたわけではないです。

高校時代から書き始めたYGシリーズですが、10年という歳月を経て僕も社会人になったので、単純に忙しかったりYGを書く気分じゃなかったりと紆余曲折がありましたが、物語自体は着実に予定通り進行しています。

1年経った今でEp.14までが書き終わり、ペースで言うと1ヶ月に1話ちょっとという感じですが最初に話した通り、今回は最初から長編として企画していますので、物語全体で見るとまだ半分にも達していません。

というか今書いているアルクが旅の中で出会う仲間達との物語というのは、正直クロニクルの本筋とは全く関係のない部分であります。

勿論全部無関係というわけではないんですが、どちらかというと各エピソードで主人公となる人物にスポットを当てて、アルクの人物像や失われた記憶、失くした過去についてはあえて触れないようにしています。

そのあたりは伏線を散りばめつつ、後半戦で回収していくという感じです。

逆に言うとみんなに考えてもらったキャラクター達や僕が生み出したリサ達は、一通り各々のエピソードが終わったあとはしばらく登場しません。

記憶を取り戻す旅の中で繋いでいった絆が、後々活きてくるというイメージですね。

ですので今は3話完結のショートストーリーの連続を、スナック感覚で気楽に楽しんでもらえればと思っています。

クロニクルの本筋、そしてアルクという謎に包まれた主人公に関する物語は後半から動き出すのでお楽しみに。

 

各エピソードで言うと勿論全部気に入ってはいるんですが、その中でも特に思い入れがあるのがリサとローズです。

リサに関してはEp.01-03というクロニクルの掴みである一発目のエピソードを担当し、ストーリー上でも最も大きな組織であるHOLDSがメインに絡んでくるお話だったので、本編では語られていない設定やアルクと出会った後の物語などかなり深いところまで設定を煮詰めました。

リサのキャラクター自体も、ある意味最初から完成されている人物像が多いYGパイロット達と比べて、まだHOLDSの研修生で実戦経験もなく、戦うと決めた理由も本人の中ではあやふやという今まであまり書いたことのないキャラクターだったので書いていてとても楽しかったです。

今後リサがどのように成長していくのか、アルクと出会ったことでどんな変化が生まれたのかなど自分で作ったキャラクターなのに、どんな人物に育っていくのかが非常に楽しみです。

先に話した通りHOLDS関連はかなり本編で語られていない部分が多いので、クロニクル完結後にいつかリサ主人公の作品を1本書きたいくらいなんですがそこまで手が回るかどうか…。

 

ローズは、実はリサ以上に非常にお気に入りのキャラクターの1人です。

主人公サイドの人間なのにテロ組織のメンバー、だけど本人は自分の置かれている状況が受け入れられず、みんなのことは嫌いじゃないけどどう接したらいいか分からない。自分の未来もイメージが持てず八方塞がりになっているという年頃の女の子の迷いをよく書けたかな、と自画自賛しています。

正直3話で収めるには無理があるくらい詰まった内容なんですが、ある程度進行のルールを決めておかないといつまで経っても主人公であるアルクの物語に辿り着けないので、ぎゅっと凝縮して執筆しました。

というかローズの物語なのに2話目の後半までローズ出てこないですからね。それくらい周辺のキャラクターや銀の牙というテロ組織についてやローズの故郷であるマトランタの舞台背景について凝縮されています。

アルクと出会った後、ローズも旅立ちを決意するのですが初めてマトランタを離れ、きっとこれから多くの経験をして自分の進む道を決めていくローズのエピソードを、もっと書いていきたいです。

 

勿論リサとローズ以外のキャラクター達もみんな好きなんですが、1人1人話していくとキリがなくなってしまうのでお気に入りキャラについてはこの辺で。

今後機体解説なんかが出来れば、その時に各キャラクターについても深堀していきたいですね。

 

長々と脱線しながらあれこれ書いてきましたが、最後にクロニクルの今後の展開について少し話してから今回は終わろうと思います。

 

紡木姉妹編が終わると、次はかわち氏原案のハルバを主人公とした物語を展開していく予定です。

ですが実はこのハルバに纏わるエピソード、この振り返り記事を書いている現時点ではまだほとんど未定です。

近いうちにかわち氏と打ち合わせをして設定を煮詰めていく予定ですが、既に名エピソードの予感しかしないので乞うご期待ください。

 

そしてハルバ編が終わったらアルクが旅の中で出会う仲間達も、残すところ最後の一人となります。

実はこちらに関してもある程度設定は決まってるんですが、これから細かいところを調整していったり誰をスペシャルゲストに招き入れるのかなど未定な部分が多いです。

 

このまま順調に進んでいくと、リサ、ジル、ローズ、アレン、紡木姉妹、ハルバ、本編未登場のキャラクターと各エピソードの主人公達を合わせて8人が揃います。

主人公のアルクを加えると9人、そして最後の1人は…。

そちらに関しては今後のネタバレになってしまうので、物語の進行をお楽しみください。

(既にちらりと話したかもしれませんが、アルクが自らをアルクと名乗るきっかけを与えた人物というキーパーソンになります。)

 

あと話すところといえば作中でもまだ断片的にしか語られていない、アルクの記憶についてですかね。

記憶喪失の主人公ということで多くが謎に包まれているアルクですが、既に本編でもアルクと深い関わりを持つ人物が、(アルクの夢の中でですが)登場していますね。

直近で言うと現在最新話のEp.14でもアルクの夢の中で登場した、クロエという少女が今後の物語の鍵を握っていくことになります。

また、アルクを語る上で今後欠かせなくなってくるのが、今からちょうど1年前に始まったクロニクルのプロローグです。

本編開始より数年前の出来事を断片的に記したこのプロローグ、今の段階では本編との繋がりが見られませんが今後点と点が繋がってひとつの線になっていく…そんな風に捉えていただいて、今後の展開に期待していただければと思います。

プロローグで登場したトウリやリンカ、カルラといった3人組もアルクの足跡を追って徐々に近付いていっていますし、彼らとの再会を果たすことでアルク自身の物語も大きく動き出します。

そして何より重要なのが、プロローグで登場したライトという人物。

本編開始後はまだ名前が出てきていませんが、これが何を意味するのか、アルクとどういった関係があるのかなど楽しみにしていただければと。

 

さて、思った以上に長々と書いてしまいましたがクロニクルが始まってから1年、長いような短かったような1年でしたが、これからまだまだ物語は続いていきます。

様々な伏線と多数のキャラクター達が今後どのように絡み合っていくのか、ご期待ください。

そしてクロニクルが1周年ということは、YGシリーズは通算11年目に突入しました。

どこまで続いていくか分かりませんが、みんなの思い出が詰まったこの作品を末永く愛していきたいですね。

 

それでは。